「屋根の老朽化が気になってきたけれど、修理にどのくらい費用がかかるのだろう…」
「台風の影響で屋根の一部が壊れたが、出費が痛い…」
そんなお悩みを抱えている千葉市在住の方は少なくありません。
実際、屋根修理の費用は工事内容によって大きく異なり、軽微な補修でも10〜30万円前後、全面的な葺き替えとなると100万円を超えるケースもあります。
特に50代〜60代の戸建て所有者の方にとって、「今後の生活資金を圧迫せずに修理を済ませる方法」を知っておくことは、とても重要です。
そんなときに強い味方となるのが、「補助金」や「助成金」制度です。
千葉市では、市民の住宅の安全性向上や省エネ推進を目的として、屋根修理・改修にも使える複数の支援制度が用意されています。
中には、工事費の80%が補助される制度もあり、条件を満たせば自己負担を大きく減らすことができます。
しかし、制度の種類が多く、申請条件や書類準備も少し複雑。
「どの補助金が自分の家に該当するのか」「申請はどのタイミングで行えばいいのか」など、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、千葉市で屋根修理に利用できる補助金・助成金をすべて一覧で紹介し、
それぞれの内容・条件・申請手順・注意点を、専門家目線でわかりやすく解説します。
また、屋根修理の費用をさらに抑えるコツや、信頼できる業者選びのポイントもあわせて紹介します。
この記事を読めば、「損をしない屋根修理の進め方」が明確にわかるはずです。
- 1.千葉市で屋根修理・リフォームに使える補助金・助成金一覧
- 2.補助金・助成金の申請の流れ
- 3.申請に必要な書類一覧と取得方法
- 4.補助金・助成金の対象者条件まとめ(自分が該当するか判断するポイント)
- 5.助成金を活用する際の注意点とトラブル防止策
- 第6章:屋根修理で補助金を最大限活用するためのコツ
- 第7章:補助金申請で失敗しないための注意点
- 第8章:まとめ|屋根修理の補助金を最大限に活用するポイント
1.千葉市で屋根修理・リフォームに使える補助金・助成金一覧
千葉市では、住宅の安全性や省エネ性能を高めるため、屋根修理・リフォームに利用できるさまざまな補助制度が整備されています。
申請のタイミングを逃さなければ、修理費用の最大80%が補助されるケースもあるため、必ず確認しておきましょう。
ここでは、2025年度時点で利用可能な7つの主要制度を紹介します。
1-1. 千葉市木造住宅耐震診断補助制度
■概要
この制度は、古い木造住宅の耐震性能を診断する費用の一部を補助するものです。
昭和56年(1981年)5月以前に建てられた木造住宅は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があり、災害時のリスクが高いとされています。
屋根の重さは建物の耐震性に大きく関わるため、屋根の状態を調べたい方にも最適です。
■補助額
耐震診断にかかる費用の 5分の4(上限96,000円) を補助。
■対象住宅
-
昭和56年5月31日以前に建設された木造住宅
-
自ら所有し居住している住宅
-
市税を滞納していないこと
■申請に必要な書類(例)
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補助金交付申請書(市公式HPからダウンロード可)
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登記事項証明書
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平面図
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診断費見積書
-
住民票・滞納無証明書
■ポイント
耐震診断を行うことで、後述の「耐震改修補助制度」への申請もスムーズになります。
まずはこの制度を利用して、屋根の重さや構造に問題がないか確認しましょう。
1-2. 千葉市木造住宅耐震改修補助制度
■概要
上記の耐震診断の結果をもとに、耐震性能を高めるための改修工事費用を補助する制度です。
屋根の軽量化(瓦から金属屋根への変更など)が補助対象になります。
■補助額
工事費の 5分の4(上限100万円)
■対象住宅
-
平成12年5月31日以前の耐震基準で建設された木造住宅
-
診断の結果、耐震性が不足している住宅
-
自ら居住し、市税を滞納していないこと
■対象となる工事例
-
瓦屋根の軽量化(スレート・ガルバリウム鋼板などへの変更)
-
構造補強(筋交いや金物の追加)
■申請の流れ
耐震診断 → 申請書提出 → 工事実施 → 実績報告書提出 → 補助金受け取り
■ポイント
屋根の重さを減らすことで、地震時の倒壊リスクを大幅に低減できます。
耐震性と省エネ性を同時に高めたい方におすすめです。
1-3. 住宅の瓦屋根耐風診断制度
■概要
強風による瓦屋根の飛散・破損を防ぐために設けられた診断制度です。
瓦の固定状態や劣化状況をチェックし、必要に応じて改修を提案してもらえます。
■補助額
診断費用の 3分の2(上限21,000円)
■対象住宅
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令和3年12月31日以前に建てられた住宅
-
粘土瓦またはプレスセメント瓦葺きの屋根
-
自らが所有・居住している住宅
-
市税滞納なし
■ポイント
「最近の台風で瓦がずれた」「屋根の一部が浮いている気がする」と感じたら、早めに診断を。
診断の結果、基準を満たしていなければ、次の「耐風改修補助制度」に進むことができます。
1-4. 住宅の瓦屋根耐風改修補助制度
■概要
耐風診断で問題が見つかった住宅の改修工事を補助する制度です。
特に台風被害が多い千葉市では、利用価値の高い制度といえます。
■補助額
工事費または「屋根面積×24,000円」のいずれか少ない方の 23%(上限55万2,000円)
■対象条件
-
耐風診断で基準を満たさないと判定された住宅
-
令和3年以前に建築された瓦屋根の住宅
-
自ら居住・所有、市税滞納なし
■ポイント
診断不要で申請できるケース(明らかに基準を満たしていない場合)もあります。
補助率が高く、瓦の固定強化や軽量化リフォームにも使えるため、老朽化した瓦屋根をリフォームしたい方に最適です。
1-5. 千葉市団地住替え支援事業
■概要
子育て世帯・新婚世帯・パートナーシップ宣誓世帯が、高経年団地に転居・改修する際の費用を支援する制度です。
屋根修理・リフォーム費用も補助対象に含まれます。
■補助額
上限 30万円(リフォーム費・引越し費・賃料などを合算)
■対象世帯
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千葉市内の高経年住宅団地への転居者
-
子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)
-
新婚世帯・パートナーシップ宣誓世帯
■ポイント
屋根修理単体での申請はできませんが、中古住宅購入+屋根修理を行う場合に有効です。
団地購入・改修をセットで考えている方はぜひチェックしましょう。
1-6. 子育てエコホーム支援事業(国交省事業)
■概要
国土交通省による全国的な制度で、千葉市在住者も利用可能。
省エネ性能を高めるリフォーム(断熱材追加・屋根改修など)に補助金が出ます。
■補助額
上限 20万円(一般世帯)〜60万円(子育て・若者夫婦世帯)
■対象工事例
-
屋根の断熱リフォーム
-
太陽光パネル設置
-
省エネ建材の導入
■ポイント
「子育て」や「若者夫婦」だけでなく、他世帯でも利用可能です。
屋根の断熱改修を予定している場合はぜひ検討しましょう。
1-7. 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省事業)
■概要
既存住宅の性能向上を目的とした国の補助制度。
耐震・省エネ・防災・バリアフリーなど複数の項目を満たすリフォームが対象です。
屋根軽量化・防災瓦交換なども対象に含まれます。
■補助額
工事費の 3分の1(上限80万円〜160万円)
■申請条件
-
インスペクション(住宅診断)の実施
-
一定の性能基準を満たすこと
-
維持保全計画・リフォーム履歴を作成
■ポイント
高性能リフォームを目指す方向け。
屋根の老朽化を機に、外壁・断熱・耐震をまとめて改修する場合におすすめです。
まとめ:千葉市の屋根修理に使える補助金は思ったより多い!
| 制度名 | 補助上限額 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 木造住宅耐震診断補助 | 9.6万円 | 昭和56年以前住宅 | 診断費を補助 |
| 木造住宅耐震改修補助 | 100万円 | 平成12年以前住宅 | 屋根軽量化が対象 |
| 瓦屋根耐風診断制度 | 2.1万円 | 粘土瓦・プレス瓦住宅 | 診断費を補助 |
| 瓦屋根耐風改修補助 | 55.2万円 | 強風被害対策 | 改修費を補助 |
| 団地住替え支援事業 | 30万円 | 子育て・新婚世帯等 | リフォーム費用含む |
| 子育てエコホーム | 20〜60万円 | 全国対象 | 屋根断熱改修OK |
| 長期優良住宅化推進 | 80〜160万円 | 既存住宅リフォーム | 高性能改修向け |
2.補助金・助成金の申請の流れ
屋根修理やリフォームに補助金を使う場合、
「どうやって申し込めばいいの?」
「どのタイミングで申請すれば間に合うの?」
と悩む方が多いでしょう。
補助金は申請前に工事を始めると対象外になるケースがほとんどです。
ここでは、千葉市の制度を中心にした、申請から受給までの一般的な流れを紹介します。
ステップ1:対象制度を選ぶ
まずは、自分の住宅やリフォーム内容がどの補助金に当てはまるのかを確認します。
制度によって対象条件が異なるため、**「築年数」「屋根の材質」「目的」**の3点を整理しましょう。
| 目的 | 該当する補助制度の例 |
|---|---|
| 屋根の耐震性を高めたい | 木造住宅耐震診断・耐震改修補助 |
| 台風・強風への備えをしたい | 瓦屋根耐風診断・改修補助 |
| 断熱や省エネ性能を上げたい | 子育てエコホーム支援事業、長期優良住宅化リフォーム |
| 中古住宅購入+リフォーム | 団地住替え支援事業 |
👉 ポイント
千葉市の補助制度は、同時併用できる場合とできない場合があります。
まずは「千葉市住宅政策課」または「千葉市建築指導課」に相談するのがおすすめです。
(公式サイトや窓口での事前相談も可能)
ステップ2:事前相談・現地確認を行う
申請書を提出する前に、市の担当課または登録業者による事前相談・現地調査が必要です。
この段階で確認する内容は次のとおりです。
-
補助対象となるかどうか(建築年や屋根材の種類)
-
診断が必要かどうか(耐震・耐風診断など)
-
補助金上限・予算枠の残り状況
千葉市の補助金は予算枠に達すると早期終了することがあります。
「申請予定」として仮受付してもらえる場合もあるので、年度の早い時期(4月〜6月)に相談を始めましょう。
ステップ3:必要書類を準備する
申請には複数の書類が必要です。
代表的なものを下表にまとめます。
| 書類名 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 補助金交付申請書 | 千葉市公式サイトまたは窓口 | 各制度で書式が異なる |
| 登記事項証明書 | 法務局 | 所有者を証明する書類 |
| 平面図・立面図 | ご自身 or 工務店 | 建物の構造を示す |
| 工事見積書 | 施工業者 | 補助対象金額を算出するため必要 |
| 耐震・耐風診断結果 | 登録診断士 | 対象制度による |
| 市税滞納がない証明書 | 市役所 | 全ての制度で必須 |
書類はすべてコピーを保管しておくこと。
後の実績報告や審査時に再提出を求められる場合があります。
🔹ステップ4:申請書を提出する
書類をそろえたら、千葉市の担当部署へ申請します。
郵送不可の制度もあるため、持参提出が基本です。
代表的な提出先は以下のとおりです。
| 制度 | 提出先 |
|---|---|
| 木造住宅耐震関連 | 千葉市 建築指導課 |
| 瓦屋根耐風関連 | 千葉市 建築指導課 建築防災係 |
| 団地住替え支援 | 住宅政策課 |
| 国の制度(子育てエコホームなど) | 登録施工業者経由またはオンライン申請 |
提出後、書類審査・内容確認が行われ、問題がなければ「交付決定通知書」が届きます。
交付決定前に工事を開始すると、補助対象外になるため注意してください。
交付決定通知が届いてから、正式に着工できます。
🔹ステップ5:工事の実施・完了報告
交付決定を受けたら、施工業者と工事を進めます。
完了後、実績報告書を提出して補助金を受け取る流れです。
提出書類の例:
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工事完了報告書
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工事前・工事後の写真
-
請求書・領収書の写し
-
工事内容報告書
写真は、屋根全体と補修箇所を明確にわかる角度で撮影すること。
「施工前」「施工中」「施工後」の3段階で撮っておくと安心です。
🔹ステップ6:補助金の受け取り
市の検査・書類審査が終わると、補助金が指定口座に振り込まれます。
通常は報告書提出後、1〜2か月程度で入金されます。
👉 申請から受給までの目安期間
| 手順 | 所要期間(目安) |
|---|---|
| 事前相談〜申請 | 約2〜3週間 |
| 交付決定〜工事着工 | 約1か月 |
| 工事実施・完了報告 | 約1〜2か月 |
| 審査・入金 | 約1〜2か月 |
| 合計期間 | 3〜5か月程度 |
💡スムーズに申請を通すコツ
-
工事前に申請・相談を必ず行う
交付決定前に工事を始めると、どんなに条件を満たしていても補助対象外になります。 -
登録施工業者を選ぶ
市の補助制度は「登録業者施工が条件」の場合が多いです。
申請手続きを代行してくれる業者もあるので、信頼できる施工会社を選びましょう。 -
年度予算を確認する
補助金は先着順。年度途中で締め切られることも多いです。
特に人気の高い「耐震改修補助」は早期終了する傾向があります。 -
診断制度を併用する
耐震診断や耐風診断を先に受けておくことで、後の改修補助への申請がスムーズになります。
🔍まとめ:申請の流れを知っておくことが成功の鍵
屋根修理やリフォームの補助金は、
「制度を知っている人だけが得をする」仕組みです。
✅ 事前相談を早めに行う
✅ 書類を漏れなく準備する
✅ 登録業者と連携して進める
この3つを守れば、難しく感じる補助金申請もスムーズに進められます。
次章では、実際に補助金を活用して屋根修理に成功した事例を紹介します。



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